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『ヒトは食べられて進化した』

ヒトがかなり昔から狩猟をしていたというのは本当だろうと思うのですが、「狩猟がヒトを進化させた」とまで言うのは、ただのトンデモ仮説だと思っていました。どう考えても、ヒトは菜食中心の霊長類の末裔であり、進化の最初の段階でそんなに動物をつかまえて肉を食べることができたとは思えないですよね…。石器もかなりショボイ感じだし…。でも、この本を読むと、狩猟仮説はかなり一般に信じられている説なのかと愕然。(あらー、世間はそこまでマッチョであったか)

この本は、『ヒトは食べられて進化した』というタイトルどおり、人類の進化のきっかけはむしろ、食われる側の動物であったことにあるという立場をとっています。捕食からわが身を防御するために、集団生活を発達させ、意思疎通が必要になった。この考え方も以前からあるようですが、どうも狩猟仮説の方がウケがよいらしいですね(ガックリ)。著者は、狩猟仮説には、ユダヤ・キリスト教的な思想の影響があり、性差別主義を反映していると断じていますけど。

この本、途中までヒト(やそれ以外の霊長類)が動物に食われる話ばっかり続くので、「ヒェーッ!」なところがありますが、狩猟は、ヒトの進化の歴史の中のかなり遅い段階になって出現した習慣だとしているところが、やはり興味深いです。

遺跡発掘現場から動物の骨が出てきたからといって、それはすぐヒトが動物を殺していた証拠にはならない。まして、食べていた証拠にはならない。むしろ、ヒトが大型の動物に食われていた証拠である可能性もある(大型肉食獣の食事の跡という意味)と自然人類学の教科書には書いてあるそうで、人類が火というものを自在に扱えるようになる前に大がかりな狩をするヒト科はいなかったというのが定説だそうです。歯と消化管の状態から、そのことは確かと言えるらしい。

最後の方、ベジタリアンの本みたいなことが書かれていて、ちょっとウレシイ感じです。

 

ちょっとイイ話

生き物がかわいく見える瞬間っていうのは、やっぱり基本、手からえさを食べたりする瞬間なんだろうか。「くれくれ」って近寄ってくるのもかわいいよね。ぶりを海に帰したこともあるそーです。

「刺身にならないでペットになった」天然マダイ、志摩のホテルで元気に泳ぐ /三重
http://iseshima.keizai.biz/headline/856/

2月24日 みんなの経済新聞ネットワーク
 

サルの進化に思う。

先日、4700万年前の霊長類のほぼ完全な化石についての本を読みました。ルーシーと同じように名前がつけられていて、「イーダ」といいます。まだ子どもでした。体内の食べ物の痕跡まで残っていて、果実や葉だけを食べていたことがわかったそうです。教科書を書き換えるだろう大発見とのこと。

発掘されたドイツのメッセル・ピットについてよく知らなかったので、なんだかとてもロマンをかきたてられてしまいました。現代のメッセル・ピットは何やら見た目寂しげなところのようなんですが、太古の昔の生物群を今に伝える貴重な場所として、世界遺産にもなっているそうです。ゴミ埋め立て場計画がなくなって本当によかったです。

で…その本に書かれていたことではないので完全に話がそれるのですが。

人間はどうして大自然の光景などを見ると「美しい」と感じるように進化しているのかな〜とか、思っていたんです。男→女、もしくは女→男で「美しい」と感じるのは繁殖戦略が関係しているんだろうけど、では風景の場合は?

やはり、自分が生きている環境を壊してしまったら自らの生存が危うくなっていくわけだから、むやみに生息環境を破壊しないよう、それそのものに何らかの価値を感じるように進化してきたのかな…?とか勝手に想像。自然って、景観だけに価値があるわけではないのに、意外と景観保護の方が理解されやすいところもあるような気がしたりして、そんな妄想を膨らませていました。

で、なぜこのことを急に思い出したかというと、昨日あるイベントで「本来の人間というのは菜食で、肉食というのは後から獲得した習慣なのではないか。菜食というのは新しい習慣に思われているけれども、もっと長いスパンで見れば、肉食の方が新しい習慣だったはず」というお話を披露された方がいて、その根拠に妙に納得してしまったからなんです。

よく言われているのは、ヒトの身体的な特徴や、菜食の方が健康であることなどだと思いますが、そのお話をされた方は(マイミクさんだったんですけどね)、もう一つ、生き物が殺されているところをみて人間が「かわいそう」と感じること、それそのものがもともとは肉食しない動物であることの証明ではないかとおっしゃったんです。

つまり、例えばライオンなんかは、獲物を食べるときに「かわいそう」なんて絶対に思っていないだろう、と。「おいしそう」としか感じないはずだ、と。でもなんで人間は「かわいそう」なんて感情を持つんだ?と。

なるほど!

私の前に座っていた、明らかにベジタリアンを嫌っていそうなひそひそ話の女性たちも、このくだりで黙ってしまいました。

そういえば「イーダ」は、人間の直接の祖先かどうかはわからないけれど、「おば」くらいの関係だった可能性は高いそうです。そして完全菜食でした。それくらい長いスパンで考えれば、きっと先祖は菜食だったんだろうなと思います。

ネコ科の動物なんかは、そもそも赤が見えないので、血の色がわからないという肉食向きの目をしていますが、ヒトの目の細胞は逆に、赤色をわずかに他の色より早く識別するそうですね。赤が警告色として使われるのはそのためなのだとか。俗説なのかもしれませんが、捕食される側の動物にとっては、血の色は「逃げろや逃げろ」サインのはずで、妙に納得してしまう話です。人間は、捕食される側の動物の末裔なんでしょうね。

実際には、「かわいそう」も慣れてしまうと感じなくなると思うのですが、むやみに食べつくさないためなのか、食べたことのない食べ物を警戒するためなのか、自らの健康のためなのか、何らかの理由で、捕食シーンを残酷に感じる機能は残り続けた……のかもしれないですね。基本は、「やばい、逃げろ!」が理由なのかもしれませんが。

 

「水銀いらない」キャンペーン&水銀覚え書き

「水銀いらない」キャンペーンというサイトが立ち上がったそうです。署名のページもありますので、ぜひよろしくお願いします。

「水銀いらない」キャンペーン
http://suigin-iranai.jp/


以下、水銀関係でいつかブログに書こうと思っていたことの覚え書きです。

★1 日本は水銀規制が遅れている

去年、「国際的な水銀規制をどう進めていくのか」というシンポジウムを聞いてきました。網羅的でありながら、かつデータなども詳しく、とても勉強になりました。日本は、水俣病の経験がある国にもかかわらず、それ以外の話題があまり取りざたされておらず、規制が遅れているということを実感しました。

印象に残ったことなど、ざざっと箇条書きにしますと・・・

・近年、水銀の排出量は増大している
 化石燃料を燃やすことで大気へ水銀が放出されるのが主な原因。
 一番大きい排出源は火力発電で、住宅用暖房(ストーブ)、セメント業、金精錬などが続く。

・水銀の大気への排出量は、アジアで急増している。
 ここ20年で2倍。
 産業革命前と現在の比較では、大気排出量3.6倍、大気残存量2.8倍
 (UNEP報告書より計算)

・水銀を用いる金精錬法によって、アジア・アフリカでは労働者が水銀を直接暴露。

・EUは水銀輸出を禁止。アメリカでは、オバマが大統領になる前に水銀輸出禁止法を提出していて、当時は成立しなかったが、現在は禁止に至っている。

・日本はアジアで唯一の水銀輸出国。水銀の輸出禁止と永久保存が世界の流れだが、日本にはそういった規制へ向けた動きがなかった。(日本政府は、日本が輸出をやめることで、新たな水銀の採掘がなされることになるのではないかという懸念を持っている。永久保存場所については、北海道の水銀採掘跡地が一つの候補か?)

・水銀製品の規制も国際的な流れ。アメリカ11州で水銀体温計禁止法、フィリピン、インドは水銀を含む医療器具を段階的に廃止、などなど。

大気中の水銀を最終的に吸収するのは、主に海洋。大気に排出される水銀が増えることによって、海洋生物の水銀汚染も進む。メチル水銀の制御は、水銀の総排出量の制御で行うというのが国際的に広まっている考え方。

・低濃度のメチル水銀の影響についてはまだよくわかっていない。
 ただし、摂取許容量については年々厳しい提案がなされている。

などなどです。

★2 イルカ肉の水銀は?

イルカの水銀は無機水銀で安全だという主張は正しいのでしょうか? 日本政府の公式見解とも言える食品安全委員会の報告書には、はっきり「メチル水銀」(有機水銀)を比較的高濃度に含むと書かれています。(こちらを信じない根拠が何かはよく知らないのですが)

「魚介類はメチル水銀の優勢な曝露源であり、魚介類の総水銀の75〜100%はメチル水銀であると推定されている」「高齢、大型の肉食性の種類の魚や歯クジラ類は、比較的高濃度のメチル水銀を含んでいる」
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/050812-1-04-1b.pdf

補足:
・イルカは歯クジラ類であり、魚をエサにしています。
・海などの中にいる微生物の働きによって、無機水銀(自然水銀)はメチル化し、有機水銀となります。

繰り返しになりますが、燃焼によって大気中に放出される水銀は増えており、その水銀を吸収するのは主に海洋であり、海の微生物の体内で無機水銀はメチル水銀になり、魚はそれを食べ、さらにその魚を食べるような生き物の体内に濃縮されていくメチル水銀を人間はどこまで摂って大丈夫なんでしょうね?というのが話の流れかと思います。
 

カシミアの混合率はやっぱり嘘が多い?

都内各所で配布されている「東京くらしねっと」に、こんな記事が載っていました。報道されていた商品もあったと思いますが、カシミア製品を集めて検査してみたら、混合率にけっこう嘘があったというレポートです。

「インターネット通販で購入したカシミヤ製の繊維製品」
カシミヤ100%のはずが、アクリル100%のストールも?
〜テスト結果を踏まえ、10事業者に表示の改善を指示〜
http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/kurashi/report.html#report01


「カシミヤ混用率100%表示でも、アクリル100%のものが4商品ありました」というのも驚きですが、「価格との関連性は見られず、価格でカシミヤ混用率を判断するのは困難」というのも、やはり驚きです。

ちょっと、あまりにひどくないですか? ここまでくると、そもそもアクリルと見分けのつかないカシミヤを着る意味はないと言っていいレベルではないでしょうか。

それと、毛皮はどうなんでしょうね?と思ってしまいました。
 

すばらしかった! 映画「オーシャンズ」

映画「オーシャンズ」見てきました。すばらしかった! 世間では「アバター」の世界がすばらしすぎてウツになるとか話題になってますが、「オーシャンズ」も十分同様の心理状態になるよぉ。こっちはリアル映像なんだから、自然の力はすごいことだ! やっぱり。

http://oceans.gaga.ne.jp/

でもなんか、フカヒレ猟のシーンだけが、酷すぎて浮いてました…。あれは酷い。酷すぎる。海底まで映像で追う人がいて初めてわかる事実だけど。はっきり言って夜眠れなかった。(あのシーンのために映画ぶちこわしになっていると思う人もいるかもしれないな)

生き物たちの「食う・食われる」が次から次へと映っている映画なのに、なぜか人間の「食う」だけは異質で浮いている。なにかそれは決定的なことに思われました。

でもまあ、そんなことは横においておいて、海の世界のすばらしさを感じるだけでもいいのかもしれないけど。
 

ワールドウォッチ研究所『地球白書2009-10』



62ページからが「気候保全型畜産を促進する」のセクションです。「畜産は温室効果ガス排出の大きな部分を占めている」。

牧場の一組の雌ウシと仔ウシが1年間に排出する温室効果ガスは、中型乗用車を1万3千キロ弱運転したときよりも多い。

注を見ると、やはりデータは、「LIVESTOCK'S LONG SHADOW」が参考にされているようです。

LIVESTOCK'S LONG SHADOW
environmental issues and options

http://www.fao.org/docrep/010/a0701e/a0701e00.HTM
 

地球温暖化と肉食

昨日、「そーか、その意見は読まないのか!この会場にだって私が知っている限りベジタリアンが少なくとも2人はいるのにぃー、しかも、私は末席だけど、もう一人は正面壇上にいるのにぃー!!」と思ったことがあったので(と書いても何のことかわからないと思いますが…すみません^^;)、日本の温室効果ガス排出量データというのをちょっと見てみました。

日本の温室効果ガス排出量データ
http://www-gio.nies.go.jp/aboutghg/nir/nir-j.html


けっこう細かく計算されているように見えますが、日本が算出している畜産業関連の数値は、かなり小さいみたいです(意外)。でも「消化管内発酵」と「家畜排泄物の管理」しか計算されていないから、畜産業全体が排出している温室効果ガスというのは、もっと大きいはずだとは思うのですが。

こんな記事もありましたし。

家畜からの温室効果ガス排出量--これまでの推計は過小評価
http://daily-ondanka.com/news/2009/20091104_1.html

「…食用家畜のライフサイクルとサプライチェーンからの温室効果ガス排出量は、大幅に過小評価されているという。」

で、計算しなおしたら世界のCO2年間排出量の51%が、家畜とその副産物からですか^^; すごいですよね、半分が畜産なんて。

日本人の肉食の場合は、国内の畜産業を通じてというより、飼料や肉そのものの輸入を通じて、海外での温室効果ガス発生に貢献しているんでしょうね…。

いろんなものの自給率とかまで考えはじめると、国内でのCO2削減目標の意味って一体なんだろう???とか、頭がこんがらがってきますが、国際的には肉食見直しの流れがあることがもうちょっと広まればいいなと思います。
 

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